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2019/10/20~ まったりと‥

190725 環境耐久試験-耐熱性試験/耐候性試験/耐食性試験

自動車部品に使用される材料は様々であり、世界各地のいろいろの環境下で使用されているため、その耐久性評価法も多様化している。寿命に最も影響を及ぼす自然環境は熱、光、腐食なのでこれらの試験について整理する。

 

◆耐熱性試験

樹脂部品は熱に弱く、線膨張係数が大きいため変形、収縮を生じやすい。又、温度条件と時間によって変化が異なり、分けて考えることができる。一般の企画としてはJIS D 0204, JASO M 312-85がある。試験温度は部品の置かれる状態、使用される環境によって設定され、試験品は実写と同一条件になるようにジグに取り付けて試験を行う。

 

◆耐候性試験

自然環境中の日光、温度、湿度及びオゾンによる劣化を評価する試験で、試験法としてはJIS D 0205に規定されており自然環境状態で行う屋外暴露(注:ここでの暴露は屋外に覆いも無く晒されることの意‥)試験と、自然環境に近似しかつ促進度を高めた促進試験とがあり、用いる装置及び条件によって区分されている。

 

現象としては、塗膜や樹脂部品は光を長時間受けると高分子(数千個以上の原子から出来ているもの)の結合が切れ酸化が起こり、劣化し、変耐食、表面のつや低下、亀裂、白化、そり、寸法収縮を生じる。車外部品や塗膜は南に面した暴露台に直接取り付けられて暴露を行い、車内部品はガラス張りの暴露台中に取り付けて暴露を行う。

暴露地としてはアメリカ・フロリダ州アリゾナ州が有名で、強い太陽光線、日中の高温、夜間の結露が変退色を発生させる条件を満たしている。さらに促進化するため太陽光暴露試験も一部で採用されている。これは太陽光線をアルミ反射板で集光するもので、フロリダ暴露の約6倍の促進試験ができる。暴露期間は1~2年が一般的で、さらに長時間行う場合もある。

 

◆耐食性試験

金属材料はさびの宿命にありそれを防ぐため、防錆鋼板、塗装、ワックス処理等の防錆処理が施されている。冬期の道路凍結防止のために散布される塩、海岸地方の潮風、されに路面からはね上げる砂利が床下やフェンダなどボデーの塗膜を削り取ったりとさびの形態は数々ある。

腐食試験法として最も一般的なものは塩水噴霧試験(JIS Z 2371)であるが、自動車の複雑な腐食形態を評価するには適切ではなく、現在のところ規格化された腐食試験法はない。各自動車メーカーはそれぞれ独自に社内試験を持ち試験片の表面を傷つけて塩雰囲気で行うスキャブ試験、海岸近くなど腐食環境の厳しい試験で行う屋外暴露などの試験を実施している。